総括班X00:質量起源と超対称性物理の研究計画調整
班長 | 金 信弘 | 筑波大学大学院数理物質科学研究科 | 教授 | 素粒子実験 |
| 相原 博昭 | 東京大学大学院理学系研究科 | 教授 | 素粒子実験 |
| 大島 隆義 | 名古屋大学大学院理学研究科 | 教授 | 素粒子実験 |
| 山口 晃 | 東北大学大学院理学研究科 | 教授 | 素粒子実験 |
| 杉本 章二郎 | 高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所 | 教授 | 素粒子実験 |
| 稲垣 隆雄 | 高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所 | 教授 | 素粒子実験 |
| 山中 卓 | 大阪大学大学院理学研究科 | 教授 | 素粒子実験 |
| 野村 正 | 京都大学大学院理学研究科 | 助手 | 素粒子実験 |
| 日笠 健一 | 東北大学大学院理学研究科 | 教授 | 素粒子理論 |
| 三田 一郎 | 名古屋大学大学院理学研究科 | 教授 | 素粒子理論 |
| | | | 以上10名 |
領域内における研究組織と研究班の連携状況
本特定領域研究は、6つの計画研究(実験5+理論1)と公募研究とからなる。実験の5つの計画研究(A01-A05) は、現存する国内外の粒子ファクトリー加速器(トップファクトリー、Bファクトリー、Kファクトリー)を使って「質量の起源と超対称性物理」に迫ろうとするものである。それぞれのファクトリーの長所をいかすと同時に、計画研究間の連絡を密にして、データ中に隠れている「標準理論からのずれ」を特定できるよう総合的な解析を行う。理論研究(A06)は実験データをもとに、どのような事象に注目すべきか、現在の測定値からどのような理論的考察ができるかなどについて、実験グループに対して適切かつ迅速なフィードバックができるよう留意して独創的研究を推進する。それぞれの計画研究の研究課題、代表者は以下の通りである。
実験、理論それぞれに公募研究が設けられている。実験分野では、将来の高エネルギー加速器実験(超高エネルギー線形衝突型加速器ILC、陽子陽子衝突型加速器LHC、ミューオンコライダー、ニュートリノファクトリーなど)に備えるための新しい実験技術の開発、加速器を用いた実験の提案、さらに新しい加速器技術の開発などについての公募研究が行われている。理論分野では、これらの加速器実験で期待される新しい素粒子物理についての現象論的研究が公募研究で行なわれている。
総括班は4年間におよぶ本特定領域研究の実施期間中に各研究の調整をとり、特に実験研究について指揮をとると同時に、理論と実験の密接な交流をはかる。具体的には総括班連絡会を行い、各研究の調整をとる。また、研究会等のミーティングを実施し、報告書を適宜編集し、コミュニケーションと情報の開示を総括する。
2003年3月、2004年3月、2005年3月には特定領域研究会を開催し、研究の連絡・総括を行った。毎年2回総括班連絡会を行い、各研究の調整をとり、さらに報告書を適宜編集し、コミュニケーションと情報の開示を総括してきた。また、公募研究の将来計画の推進を図るために、ACFA-JLC研究会、LCWS研究会、「実験・観測に基く素粒子統一描像の構築」研究会等を支援した。
またホームページ開設による情報開示を行なってきた。ホームページのURLは
http://www.tsukuba.jp.hep.net/~skim/tokutei/
である。
今後の領域の推進方策
実験の5つの計画研究(A01-A05) については、実験データの収集を継続し、物理解析を進めつつ、さらに新しい解析法を開発する。それとと共に、将来の実験の改良に向けて、シリコンストリップ検出器、高速波形記憶処理回路、TOPカウンター、γ線検出器などの測定器開発を進める。テバトロン実験、Bファクトリー実験は現在も進行中であり、次々と新しいデータを取得している。ほぼ完了した解析に使用した量以上のデータがすでに取得済みであり、現在収集中のものと合わせて、世界最高統計による解析を進める。Bファクトリーの装置開発は引き続き、粒子識別装置としての性能を向上させる新しい光電面を使用した光検出器の開発・試験を進める。 理論の計画研究(A06)では、今までに進めてきた研究をさらに発展させるとともに,宇宙論,弦理論などとの関連も調べて多面的な理解を進めていく。また実験家との連携を緊密にして最新結果を反映させる。また公募研究については、研究会で将来計画を議論していくことによって、実現に向けた努力を集中させて計画を進展させる。
総括班は上記の各研究の調整をとり、特に実験研究について指揮をとると同時に、理論と実験の密接な交流をはかる。2006年3月には特定領域研究会を国際会議として開催し、国際共同研究としての研究連絡・議論・総括を行う。これまでどおり毎年2回、総括班連絡会を行い、各研究の調整をとる。また、報告書を適宜編集し、WEBページを活用してコミュニケーションと情報の開示を総括する。
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